第31章 3G/4Gの設定


3G/4G

この章では、SonicWALL UTM装置で3G/4G無線WANインターフェースを設定する方法について説明します。このセクションは、次のセクションに分かれています。


・ 「3G/4Gの概要」

・ 「3G/4G > 状況」

・ 「3G/4G > 設定」

・ 「3G/4G > 詳細設定」

・ 「3G/4G > 接続プロファイル」

・ 「3G/4G > データ使用」

・ 「U0/U1/M0インターフェースを有効にする」

・ 「3G/4G用語集」

3G/4Gの概要

このセクションでは、3Gの概要を説明します。このセクションは、次のセクションに分かれています。


・ 「3G/4Gとは」

・ 「3G/4G接続タイプについて」

・ 「3G/4Gフェイルオーバーについて」

・ 「3G/4G PCカードのサポート」

・ 「3G/4G無線WANのサービス プロバイダのサポート」

3G/4Gとは

一部のSonicWALLセキュリティ装置では、3G/4G (第3世代) セルラー ネットワークを介したデータ接続を使用する、3G/4G無線WAN接続をサポートしています。3G/4G接続は次の用途で使用できます。


・ 電線やケーブルに依存しない接続を使用するWANフェイルオーバー。

・ 見本市やキオスクなど、事前設定した接続を利用できない一時的なネットワーク。

・ 車両内にSonicWALL装置を設置した場合のモバイル ネットワーク。

・ 有線接続は利用できないが、3G/4Gセルラーを利用できるプライマリWAN接続。

無線ワイド エリア ネットワークでは、モバイルまたはセルラー データ ネットワークを使用することにより、無線でリモート ネットワーク アクセスを行うことができます。

3G/4G接続タイプについて

装置を起動する前に3G/4Gデバイスがインストールされた場合、装置によってインターフェースを制御するために「ネットワーク > インターフェース」ページでU0、U1またはM0(NSA240のみ)インターフェースとしてリストされます。

3G/4G接続タイプ」の設定により、3G/4G に接続されたSonicWALL装置のWAN接続を柔軟に制御できます。接続タイプは「3G/4Gプロファイルの設定」ウィンドウの「パラメータ」タブの「3G/4G > 接続プロファイル」ページで設定可能です。次の接続タイプを設定可能です。


・ 恒久的な接続 -3G/4Gのインターフェースは3G/4Gサービス プロバイダに接続すると、管理者が切断するまで接続が維持されます。接続するために、最初に「ネットワーク > インターフェース」ページでU0/U1/M0に対する「管理」ボタンを選択する必要があります。

・  データに接続 - SonicWALL装置は特定種別のネットワーク トラフィックを検知した時に、3G/4Gインターフェースが自動的に接続します。

・ 手動接続 - 管理者が手動で接続する場合にだけ3G/4Gインターフェースが接続されます。

3G/4Gフェイルオーバーについて

SonicWALLセキュリティ装置にU0/U1/M0インターフェースが設定された場合は、これは既定で最終バックアップ インターフェースとして既定の負荷分散グループに追加されます。ただし、プライマリWANインターフェースがダウンしている場合、このフェイルオーバー動作は3G/4G接続プロファイルに対して設定された接続タイプによって違います。

以下のセクションは三つのWAN-To-3G/4Gフェイルオーバーを説明します。すべてのセクションは負荷分散グループにU0/U1/M0インターフェースが最終バックアップ インターフェースとして設定されたと仮定します。


・ 「「恒久的な接続」時の3G/4Gフェイルオーバー」

・ 「「データ種別による接続」時の3G/4Gフェイルオーバー」

・ 「「手動でダイアル」時の3G/4Gフェイルオーバー」

「恒久的な接続」時の3G/4Gフェイルオーバー

次のダイアグラムに、3G/4G接続プロファイルを「恒久的な接続」に設定しているときにWANイーサネットの接続に障害が生じた場合に発生するイベントの順序を示します。

1.
プライマリ イーサネット接続が利用可能な場合 - イーサネットWANインターフェースが接続され、プライマリ接続として使用されます。イーサネットWANインターフェースが利用可能である場合は、U0/U1/M0インターフェースへの接続は行われません (送信先インターフェースとして3G/4Gが指定されているルートを明示的に設定していない場合)。
2.
プライマリ イーサネット接続が利用できない場合 - U0/U1/M0インターフェースへの接続が開始され、イーサネットWAN接続がダウンしている間は“常時接続”状態になります。
セカンダリ イーサネットWANインターフェースが負荷分散グループの一部として設定されている場合は、装置はU0/U1/M0インターフェースにフェイルオーバーする前に、まずセカンダリ イーサネットWANにフェイルオーバーします。このとき、プライマリとセカンダリ パスがどちらも利用不可能な場合にのみU0/U1/M0インターフェースにフェイルオーバーが実行されます。
3.
フェイルオーバー後のプライマリ イーサネット接続の再確立 - イーサネットWAN接続 (プライマリ ポートまたはセカンダリ ポート、設定されている場合) が復旧すると、すべてのLAN-WAN間トラフィックのルートは、利用可能なイーサネットWAN接続に自動的に戻ります。これにはアクティブ接続とVPN接続が含まれます。U0/U1/M0インターフェースへの接続は切断されます。
警告 U0/U1/M0インターフェースが負荷分散グループに最終バックアップとして設定された場合は、U0/U1/M0インターフェースを使用するポリシーベースのルートを設定することはお勧めしません。ポリシーベースのルートにU0/U1/M0インターフェースを使用するよう設定されている場合は、「最大接続時間」 (設定している場合) に達するまで接続された状態が維持されます。

「データ種別による接続」時の3G/4Gフェイルオーバー

次のダイアグラムに、3G/4G接続プロファイルを「データ種別による接続」に設定しているときにWANイーサネットの接続に障害が生じた場合に発生するイベントの順序を示します。

1.
プライマリ イーサネット接続が利用可能な場合 - イーサネットWANインターフェースが接続され、プライマリ接続として使用されます。イーサネットWANインターフェースが利用可能である場合は、3G/4Gの接続は行われません (送信先インターフェースとしてU0/U1/M0インターフェースが指定されているルートを明示的に設定していない場合)。
2.
プライマリ イーサネット接続を利用できない場合 - 適切な発信データがSonicWALL装置を通過しようとするまでは、U0/U1/M0インターフェースへの接続は確立されません。
3.
3G/4G接続の確立 - 機器またはネットワーク ノードが適切なデータをインターネットに送信しようとすると、U0/U1/M0インターフェースへの接続が確立されます。「最大接続時間」 (設定している場合) に達するまで、U0/U1/M0インターフェースへの接続が維持されます。
4.
フェイルオーバー後のWANイーサネット接続の再確立 - イーサネットWAN接続が復旧すると、すべてのLAN-WAN間トラフィックのルートは、利用可能なイーサネットWAN接続に自動的に戻ります。U0/U1/M0インターフェースへの接続は終了されます。
警告 U0/U1/M0インターフェースが負荷分散グループに最終バックアップとして設定された場合は、U0/U1/M0インターフェースを使用するポリシーベースのルートを設定することはお勧めしません。ポリシーベースのルートにU0/U1/M0インターフェースを使用するよう設定されている場合は、「最大接続時間」 (設定している場合) に達するまで接続された状態が維持されます。

「手動でダイアル」時の3G/4Gフェイルオーバー

警告 WAN障害が発生した場合、管理者が手動でU0/U1/M0インターフェースを接続するまでWANに接続できないので、U0/U1/M0インターフェースをプライマリWANインターフェースに対するフェイルオーバーとして使用する場合、3G/4G接続プロファイルを「手動でダイアル」に設定することはお勧めしません。

次のダイアグラムに、3G/4G接続プロファイルを「手動でダイアル」に設定している状況でWANイーサネットの接続に障害が生じた場合に発生するイベントの順序を示します。
1.
プライマリ イーサネット接続が利用可能な場合 - イーサネットWANインターフェースが接続され、プライマリ接続として使用されます。イーサネットWAN接続が利用可能である場合は、3G/4Gの接続は行われません。
2.
プライマリ イーサネット接続を利用できない場合 - 管理者が接続を手動で有効にするまで、U0/U1/M0インターフェースへの接続は確立されません。
3.
3G/4G接続の確立 - 管理者がSonicWALL装置で3G/4G接続を手動で有効にすると、U0/U1/M0インターフェースへの接続が確立されます。管理者が手動で接続を無効にするまで、U0/U1/M0インターフェースへの接続は維持されます。
4.
フェイルオーバー後のWANイーサネット接続の再確立 - イーサネット接続が復旧したかどうかに関わらず、管理者が接続を手動で無効にするまで、すべてのLAN-WAN間トラフィックには手動で有効にした3G/4G接続が引き続き使用されます。 手動で切断すると、利用可能なイーサネット接続が使用されます。

3G/4G PCカードのサポート

3G/4Gインターフェースを使用するには、3G/4G PCカードが必要です。また、無線サービスのプロバイダと契約を結ぶ必要があります。サポートされているハードウェアの可用性を第一に考慮して3G/4Gサービス プロバイダを選択してください。SonicOS (3.6以降のバージョン) でサポートしている3G/4G PCカードについては、次のサイトを参照してください。

http://www.sonicwall.com/us/products/cardsupport.html〉

3G/4G無線WANのサービス プロバイダのサポート

SonicOS では、次の3G/4G無線ネットワーク プロバイダがサポートされています (このリストは変更されることがあります)。


・ AT&T

・ H3G

・ Sprint PCS Wireless

・ Verizon Wireless

・ Vodafone

・ Telecom Italia Mobile

・ Telefonica

・ T-Mobile

・ TDC Song

・ Orange

3G/4Gの前提条件

3G/4Gインターフェースを設定する前に、次の前提条件を満たす必要があります。


・ サポートされているサードパーティ無線プロバイダから3G/4Gサービス プランを購入する

・ 3G/4G PCカードを設定および有効化する

・ SonicWALLセキュリティ装置に電源を入れる前に、3G/4G PCカードをSonicWALL装置に挿入する
補足 3G/4G PCカードの抜き差しは、必ずSonicWALLセキュリティ装置の電源が入っていない状態で行います。

これらの前提条件の設定方法については、使用するモデルの『SonicWALL導入ガイド』を参照してください。

以下のセクションでは、SonicWALL装置で3G/4G PCカードに対して、U0/U1/M0インターフェースの設定方法について説明します。


・ 「3G/4G > 状況」

・ 「3G/4G > 設定」

・ 「3G/4G > 詳細設定」

・ 「3G/4G > 接続プロファイル」

・ 「3G/4G > データ使用」

・ 「U0/U1/M0インターフェースを有効にする」

3G/4G設定の大半は「ネットワークインターフェース」ページ上で行うこともできます。3G/4G接続プロファイルは、「3G/4G 接続プロファイル」ページでのみ設定できます。

3G/4G > 状況

3G/4G状況」ページには、SonicWALL装置における3G/4Gの現在の状況が表示されます。ここでは、3G/4G接続、現在のアクティブなWANインターフェース、現在のバックアップWANインターフェースの状況を確認できます。また、IPアドレス情報、DNSサーバ アドレス、現在のアクティブなダイアル アップ プロファイル、現在の信号の強度も表示されます。

3G/4G > 設定

3G/4G設定」ページでは、次の3つの設定を行えます。


・ 「データ 種別による接続」

・ 「管理/ユーザ ログイン」
3G/4G装置タイプ - 「3G/4G/モバイル」接続、「アナログ モデム」、「自動検出」のどれを使用しているかを選択します。

データ 種別による接続

データ種別による接続」の設定で、SonicWALL装置が特定のタイプのトラフィックを検出した際に、3G/4Gインターフェースが3G/4Gサービス プロバイダに自動的に接続するよう設定することができます。「データ種別による接続」には、次の種別が含まれます。


・ NTPパケット

・ GMSハートビート

・ システム ログ電子メール

・ アンチウィルス プロファイルの更新

・ SNMPトラップ

・ ライセンス更新

・ ファームウェアの更新要求

・ Syslogトラフィック

SonicWALL装置がデータ種別に基づいて接続するよう設定するには、接続プロファイルの「接続タイプ」に「データ種別による接続」を選択する必要があります。詳細については、「3G/4G > 接続プロファイル」 を参照してください。

管理/ユーザ ログイン

3G/4Gインターフェースを介したSonicWALL装置のリモート管理を有効にするには、「管理/ユーザ ログイン」セクションで設定を行う必要があります。

サポートされている管理プロトコルを選択します。HTTPSPingSNMPまたはSSHから1つ以上を選択できます。管理トラフィックとして「HTTP」を選択することもできますが、 HTTPトラフィックはHTTPSトラフィックよりも安全性が低いことに注意してください。

セキュリティを高めるためにSonicWALLでHTTP要求をHTTPS要求に自動的に変換するには、「HTTPからHTTPSへのリダイレクトを有効にするためのルールを追加する」を選択します。

補足 以前の SonicOS リリースでは、3G/4Gインターフェースに対する論理監視は「3G/4G設定」ページで設定していました。SonicOS 5.8 リリースから論理監視は「ネットワーク フェイルオーバーと負荷分散」ページで設定することになります。

3G/4G > 詳細設定

3G/4G詳細設定」ページでは、次の3つの設定を行えます。


・ 「ダイアル アウトの遠隔開始を有効にする」

・ 「帯域幅管理」

・ 「接続の制限」

ダイアル アウトの遠隔開始を有効にする

ダイアル アウトの遠隔開始機能により、ネットワーク管理者は遠隔でWANモデム接続を初期化することが可能になります。以下のプロセスはダイアル アウトの遠隔開始コールがどのように動作するかについて説明します。

1. ネットワーク管理者はリモート オフィスにあるSonicWALLセキュリティ装置へモデム接続を開始します。
2. 装置に受信コールの認証が設定されている場合は、ネットワーク管理者がパスワードを入力する必要があります。
3. 装置は設定されたダイアル プロファイルに基づいて、ダイアルアップISPへのモデム接続を開始します。
4. ネットワーク管理者は装置のウェブ管理インターフェースにアクセスして必要なタスクを実行します。

ダイアル アウトの遠隔開始機能を設定する前に、設定内容が次の前提条件を満たしているかどうかを確認してください。


・ 3G/4Gプロファイルが「ダイアル オン データ」に設定されていること。

・ SonicWALLセキュリティ装置が、HTTPSを使用して管理される設定になっていること (この設定の場合、機器へのリモート アクセスが可能)。

・ 「最大接続時間 (分)」フィールドに値を入力することをお勧めします。このフィールドは、「パラメータ」タブの「3G/4Gプロファイルの設定」ウィンドウに表示されます。詳細については、「3G/4G > 接続プロファイル」 を参照してください。このフィールドに値を入力しないと、ダイアル アウトの呼び出しが無期限に接続された状態になるため、「切断」ボタンを選択して手動でセッションを終了しなければならなくなります。

ダイアル アウトの遠隔開始を設定するには、「3G/4G > 詳細設定」画面に移動します。

1. 「
ダイアル アウトの遠隔開始を有効にする」チェックボックスをオンにします。
2. (オプション) リモート呼び出しを認証するには、「
認証を要求する」チェックボックスをオンにして、「パスワード」フィールド および「パスワードの確認」フィールドにパスワードを 入力します。

帯域幅管理

帯域幅管理」セクションでは、3G/4Gインターフェースの送信 (発信) または受信 (着信) 帯域幅管理サービスを有効にできます。

補足 帯域幅管理はサービスであり、登録する必要があります。このサービスを設定するには、ユーザ インターフェースの「アプリケーション ファイアウォール」セクションに移動します。
1. 「
イーグレス帯域幅管理を有効にする」チェックボックスをオンにして、発信トラフィックに対する帯域幅管理ポリシーの適用を有効にします。
2. 「
イングレス帯域幅管理を有効にする」チェックボックスをオンにして、着信トラフィックに対する帯域幅管理ポリシーの適用を有効にします。
3. ドロップダウン リストから「
圧縮倍率」を選択します。

接続の制限

接続の制限」セクションでは、3G/4G接続にホスト/ノードの制限を設定できます。この機能は、特に、オーバーフローとして3G/4G接続を使用している配備や負荷分散状況にある配備において、接続の超過を回避するのに役立ちます。

最大ホスト数」フィールドに、このインターフェースが接続されたときに許可されるホストの最大数を入力します。既定値は“0”で、この場合はノード数の制限はありません。

3G/4G > 接続プロファイル

3G/4G接続プロファイル」で3G/4G接続プロファイルを設定し、プライマリ プロファイルおよびバックアップ プロファイルを設定します。

プライマリ プロファイル」プルダウン メニューからプライマリ3G/4G接続プロファイルを選択します。最大で2つのバックアップ3G/4Gプロファイルをオプションで選択することができます。

3G/4G接続プロファイルを作成するには、以下のセクションの手順を実行します。


・ 「「一般」タブ」

・ 「「パラメータ」タブ」

・ 「「IPアドレス」タブ」

・ 「「スケジュール」タブ」

・ 「「データ制限」タブ」

・ 「「詳細」タブ」

「一般」タブ

一般」タブでは、3G/4Gサービス プロバイダの一般的な接続設定を行うことができます。「」、「サービス プロバイダ」、および「プラン タイプ」を選択すると、多くのサービス プロバイダについては残りのフィールドは自動的に設定されます。

1. 「
3G/4G接続プロファイル」ページで「追加」ボタンを選択します。「3G/4Gプロファイルの設定」ウィンドウが表示されます。
2. SonicWALL装置が配備されている「
」を選択します。
3. アカウントを作成した「
サービス プロバイダ」を選択します。選択した国でサポートされているサービス プロバイダのみ表示されることに注意してください。
4. 「
プラン タイプ」ウィンドウで、サービス プロバイダに申し込んだ3G/4Gプランを選択してください。
指定のプラン タイプがプルダウン メニューにリストされた場合は (基本プランの多くは、単に「Standard」と表示されます)、「一般」タブの残りのフィールドは自動的に設定されます。これらのフィールドが適切かどうかを確認してから「パラメータ」タブを選択します。
5. 指定の「
プラン タイプ」がプルダウン メニューにリストされない場合は、「その他」を選択します。
6. 「
プロファイル名」フィールドに3G/4Gプロファイルの名前を入力します。
7. 適切な「
接続タイプ」が選択されていることを確認します。このフィールドは、たいていのサービス プロバイダで自動的に設定されます。
8. 「
ダイアル番号」が正しいことを確認します。ほとんどのサービス プロバイダのダイアル番号は「*99#」になります。
9. 「
ユーザ名」フィールド、「ユーザ パスワード」フィールド、「ユーザ パスワードの確認」フィールドにユーザ名とパスワードをそれぞれ入力します。
10. 「
APN」フィールドにアクセス ポイント名を入力します。APNはGPRS機器にのみ必要です。APNはサービス プロバイダから通知されます。

「パラメータ」タブ

パラメータ」タブでは、3G/4Gサービスを接続する条件を設定できます。接続タイプには、「恒久的な接続」、「データ種別による接続」、「手動」の3種類があります。これらの接続タイプの仕組みについては、「3G/4G接続タイプについて」セクション を参照してください。

1. 「
パラメータ」タブを選択します。
2. 「
接続タイプ」プルダウン メニューで、該当する接続プロファイルを「恒久的な接続」、「データ種別による接続」、「手動」から選択します。
WANの接続タイプが「イーサネットと3G/4Gフェイルオーバー」に設定されているときの、各「接続タイプ」の動作については、「3G/4Gフェイルオーバーについて」 を参照してください。
補足 SonicWALL装置にダイアル アウトの遠隔開始を設定するには、「接続タイプ」を「データ種別による接続」に設定する必要があります。詳細については、「3G/4G > 詳細設定」 を参照してください。
3. 「
無動作時切断 (分)」チェックボックスをオンにしてフィールドに数を入力し、動作がない状態で指定の時間 (分) が経過すると3G/4G接続が切断されるようにします。「接続タイプ」が「恒久的な接続」の場合は、このオプションは利用できません。
4. 「
最大接続時間 (分)」チェックボックスをオンにしてフィールドに数を入力し、セッションが無動作であるかどうかに関わらず、指定の時間 (分) が経過すると3G/4G接続が切断されるようにします。「再接続前の間隔 (分)」に値を入力し、指定の時間 (分) が経過するとSonicWALL装置が自動的に再接続するようにします。
5. 「
電話番号ごとの再試行回数」チェックボックスをオンにし、フィールドに数を入力して、SonicWALL装置が再接続を試行する回数を指定します。
6. 「
再試行間隔 (秒)」チェックボックスをオンにし、フィールドに数を入力して再試行の間隔 (秒) を指定します。
7. 「
ダイアル時にVPNを無効にする」チェックボックスをオンにし、3G/4Gインターフェースを介したVPN接続を無効にします。

「IPアドレス」タブ

IPアドレス」タブでは、このインターフェースに動的IPアドレスまたは静的IPアドレスを設定できます。ほとんどの場合、この機能は「自動的にIPアドレスを取得する」に設定されていますが、利用するサービス プロバイダで必要な場合は、ゲートウェイIPアドレスおよび1つ以上のDNSサーバIPアドレスの両方について手動でIPアドレスを設定できます。

1. 「
IPアドレス」タブを選択します。
既定では、3G/4G接続プロファイルにはIPアドレスとDNSサーバ アドレスを自動的に取得するよう設定されています。静的なIPアドレスを指定するには、「
IPアドレスを指定する」ラジオ ボックスをオンにし、フィールドにIPアドレスを入力します。
DNSサーバ アドレスを手動で入力するには、「
IPアドレスを指定する」ラジオ ボックスをオンにし、プライマリおよびセカンダリDNSサーバのIPアドレスをフィールドに入力します。

「スケジュール」タブ

スケジュール」タブでは、3G/4G接続を特定の曜日の特定の時間帯に制限できます。この機能は、夜間または週末に非稼働時間があるプランなど、時間によるアクセス制限が設定されているデータ プランを利用するときに便利です。

補足 この機能を有効にした場合、曜日のチェックボックスがオフになっていると、その曜日の3G/4Gアクセスは終日拒否されます。
1. 「
スケジュール」タブを選択します。
2. 「
接続プロファイルの制限時間」チェックボックスをオンにして、このインターフェースのスケジュール機能を有効にします。
3. アクセスを許可する曜日のチェックボックスをオンにします。
4. 各曜日の開始時間および終了時間を24時間形式で入力します。

「データ制限」タブ

データ制限」タブでは、月単位でデータ使用量を制限できます。この機能により、3G/4Gプロバイダの課金サイクルに応じて使用量を追跡し、指定した制限に達したときに切断することができます。

1. 「
データ制限」タブを選択します。
ヒント 3G/4Gアカウントに月ごとのデータ制限または時間制限がある場合は、「データ使用制限」を有効にすることを強くお勧めします。
2. 「
データ使用制限を有効にする」チェックボックスをオンにして、その月のデータや時間の指定制限に達すると3G/4Gインターフェースが自動的に停止するようにします。
3. 「
課金サイクルの開始日」プルダウン メニューから、データまたは時間の使用量の追跡を開始する日付を選択します。
4. 「
制限」フィールドに値を入力し、制限を適用する単位を選択します。「GB」、「MB」、「KB」、「」から選択します。
5. 「
OK」を選択します。

「詳細」タブ

詳細」タブでは、3G/4G接続プロセス時に使われるチャット スクリプトを手動で設定できます。チャット スクリプトは、標準のダイアルアップ接続スクリプトにコマンドや特別な命令を追加する必要がある場合にのみ設定します。

1. 「
詳細」タブを選択します。
2. 「
チャット スクリプト」フィールドに接続チャット スクリプトを入力します。
3. 「
OK」を選択します。

3G/4G > データ使用

3Gデータ使用」ページでは、3Gインターフェースを介して転送されたデータ量を「データ使用」テーブルで監視できます。また、「セッション履歴」テーブルで3G/4Gセッションの詳細を確認できます。

データ使用」テーブルには、現在の「」、「」、「」、「」、「課金サイクル」ごとに現在のデータ使用量とオンライン時間が表示されます。課金サイクルにおける使用量は、3G/4G接続プロファイルの「データ使用制限を有効にする」オプションが有効な場合にのみ計算されます。

目的の「リセット」ボタンを選択して、任意の種別のデータ使用量をリセットします。

補足 データ使用」テーブルには現在の使用量の概算だけが表示されます。実際の課金の計算に使用することはできません。正確な課金情報については、サービス プロバイダにお問い合わせください。

セッション履歴」テーブルには、3G/4Gセッションに関する情報の概要が表示されます。特定のセッションの詳細を確認するには、「プロパティ」バルーン上にマウス カーソルを合わせます。

U0/U1/M0インターフェースを有効にする

手動でU0/U1/M0インターフェース上で接続を確立するには、以下のステップを実行します。

1. 「
ネットワークインターフェース」ページでU0/U1/M0インターフェースの「管理」ボタンを選択します。
2. U0/U1/M0接続状況ウィンドウが表示されます。「
接続」ボタンを選択ます。接続がアクティブになると、U0/U1/M0接続状況ウィンドウはこのセッションの統計を表示します。

3G/4G用語集


・ 1xRTT - Single Carrier Radio Transmission Technology - 多数の無線機で同じ周波数を同時共有できるようにする、第2世代のCDMAプロトコルです。1xRTTは主に米国で配備されていますが、現在多くのオペレータで1xEV-DOへの移行が進んでいます。

・ 1xEV-DO - Single Carrier Evolution Data Optimized (およびEV-DO) - 1xRTTプロトコルの拡張バージョンです。EV-DOでは、UMTSに匹敵する本来の3G/4G速度が実現されます。米国で最も広く使用されています。現在、次の2種類のEV-DOのリビジョンが利用可能です。(最大で2.4 Mbpsの転送速度を実現するRev.0と、最大で3.1 Mbpsの転送速度を実現するRev.A)

・ APN - アクセス ポイント名 - GPRSネットワーク上の機器の外部接続ポイント (アクセス ポイント) を示します。APNはGPRS機器でのみ指定する必要があります。これは、ネットワーク オペレータから通知されます。APNでは、“general.t-mobile.uk”、“btmobile.bt.com”、“wap.cingular”などの表記が使用されます。

・ CDMA - 符号分割多重接続 - 時間や周波数ベースの分割接続ではなく、独自のデータ エンコードを使用することでチャンネルへの複数同時アクセスを実現する多重化技術です。CDMAはGSMよりも容量の点で優れていますが、輻輳によって動作範囲が狭くなる傾向があります。Qualcommのプロトコル ファミリも参照してください。

・ EDGE - Enhanced Data rates for GSM Evolution - Enhanced GPRSとしても知られています。EDGEは、数多くのGSMネットワークで採用されているGPRSの後継技術です。転送速度を高めるためにより高密度な変調方式を使用し、最大で8つのタイムスロットを束ねることで (最大数は5ではありません) GPRSの能力を向上させています。EDGEはUMTSが広く採用されるまでの間、コスト削減に繋がる暫定的なGSMプロトコルと見なされ、現在も世界中で広く利用できます。

・ ESN - 電子通し番号 - CDMAネットワーク上でステーションを一意に識別するために使用される32ビットの番号です。事実上、ESNはGSMのIMEIスキーマに相当するものです。

・ 世代 - WWANプロトコルは、2G、2.5G、3G/4Gなどの世代で分類されます。1Gはアナログ方式の最初のセルラー ネットワークを表します。通常は、世代が上がるほど速度や容量が向上していきます。無線ワイド エリア ネットワーキングを示す言葉として3G/4Gが最も一般的に使用されていますが、本来3G/4Gとは利用可能なプロトコルのセットを表す言葉です。世代別に、広く知られているプロトコルのリストを示します。

・ 1G - アナログ

・ 2G - GSM

・ 2.5G - GPRS

・ 2.75G - EDGE、1xRTT

・ 3G - UMTS、1xEV-DO

・ 3.5G - HSDPA

・ 4G - HSPA+、LTE

・ GPRS - 汎用パケット無線サービス - 未使用のTDMAチャンネルを使用して速度を向上させる、GSMネットワークの拡張バージョンです。GPRSは、タイムスロット数とタイムスロット単位の転送速度が規定されるクラスによって分類されます。また、GPRSはパケット交換技術であるという点でもGSMより優れています。つまり、ステーションは送信対象のデータが存在する場合にのみデータを送信するため (GSMの回線交換式ネットワークではチャンネル全体が確保されます)、利用可能な帯域幅をより効率よく使用することができます。一般に、GPRSネットワークに接続するプロセスには、ネットワークへの接続と、一連のATコマンドで実行されるようなPDPコンテキストの確立および有効化が含まれます。このプロセスの大部分はプロファイルの使用によりSonicOSによって自動化されていますが、手動でPDPコンテキストを確立することもできます。

・ GSM - Global System for Mobile Communication - 信号方式と通話の両方にデジタル チャンネルを使用する、TDMAベースのプロトコルです。データ通信に最適なプラットフォームを実現しますが、転送速度は非常に低速です。GSMはQualcommのCDMAと競合するプロトコルですが、依然として世界で最も一般的に使用されています。GSMは、建物の中でも信号が劣化しにくいと評価されています。GSMは米国やその他の国々で使用されていますが、米国では異なる周波数で実装されています。そのため、機器で明示的にサポートされていない場合は相互運用性が保証されません。

・ HSDPA - High Speed Downlink Packet Access - W-CDMA技術に基づく、UMTSを拡張した規格です (したがってGSMを拡張した規格とも言えます)。HSDPAでは非常に高速な転送速度を実現でき、最大で50 Mbpsの速度が今後の目標として設定されています。ただ、今後多くのオペレータによってサポートされることが明らかになっているにも関わらず、採用はあまり進んでいません。

・ IMEI - International Mobile Equipment Identity - ネットワーク上で機器 (加入者ではありません) を識別するために、GSM/UMTS機器ごとに割り当てられた15桁の一意の番号です。加入者はこれらのネットワーク上で、SIMカードに格納されているIMSI番号によって識別されます。

・ IMSI - International Mobile Subscriber Identity - GSM/UMTSネットワーク上で加入者を識別するための、一意の15桁 (または14桁) の数字です。IMSIは加入者のSIMに格納されており、国コード (ITU E.212で定義されています)、ネットワーク コード (ネットワーク オペレータによって定義されています)、一意の加入者番号で構成されています。

・ PDPコンテキスト - パケット データ プロトコル コンテキスト - GPRSネットワーク上にあるステーションの論理的な関連付けを表すデータ構造です。このデータ構造は、CID (コンテキスト識別子)、PDP_Type (IPなどの使用されているプロトコル)、APN (アクセス ポイント名)、接続に使用できるアドレス空間を識別するためのオプションのPDP_Addr (PDPアドレス) から成ります。PDPコンテキストは、確立後に有効化する必要があります。

・ SIM - 加入者識別モジュール - UMTSにおけるUSIM (ユニバーサルSIM) です。スマート カードとも呼ばれるSIMには、設定のほか、加入パラメータおよびサービス パラメータなど、一意の加入者情報が格納されています。SIMはすべてのGSM機器で使用され、加入者のIDを別のGSM機器に移し替えることができます。多くのオペレータは他のオペレータのSIMカードが使用されないように機器をロックしていますが、特定の条件を満たした場合にはオペレータが機器のロックを解除することもあります。

・ TDMA - 時分割多元接続 - TDMAは、現在利用可能なGSMネットワークの大半で使用されています。周波数をタイムスロットに分割することで、周波数への複数同時アクセスが可能です。各ステーションは交互に送信を行います。TDMAベースの技術では、トランスミッタのオンとオフを高速で切り替えているため (ネイティブなTDMAでは50 Hzで切り替え、GSMでは217 Hzで切り替えています)、無線周波数 (RF) の混線が発生します。出力が十分な場合は (呼び出しを受信する直前など)、付近の増幅回路がこれらのRF信号 (特に217 HzのGSM信号。非常に安価なコンピュータのスピーカでも可聴音域の範囲内にあります) を受信することがあるため、雑音が発生してしまいます。そのため、GSMを実装しているSonicWALL装置はステレオの上に設置しないでください。また、補聴器を着用している場合は、SonicWALL装置が頭上に来るような場所に設置しないでください。

・ UMTS - Universal Mobile Telecommunication System - W-CDMA技術を採用した規格です。UMTSはGSMの拡張バージョンと考えられているため、3G/4GSMと呼ばれることもあります。UMTSは、EDGEが支持されている米国を除き、世界中で広く配備されています。GSMの後継規格として、米国ではUMTSを飛び越してHSDPAが採用される可能性が高くなっています。

・ W-CDMA - 広帯域符号分割多元接続 - UMTSの基礎をなす技術であるW-CDMAは、GSMプロトコルを拡張した規格です。W-CDMAの搬送波チャンネルの帯域は元のCDMA規格よりも4倍も広いため (W-CDMAの5 MHzに対して1.25 MHz)、広帯域と呼ばれています。