アクティブ/アクティブ クラスタリング フルメッシュ

このセクションは、次のサブセクションから構成されています。

アクティブ/アクティブ クラスタリング フルメッシュの概要

アクティブ/アクティブ クラスタリングのフルメッシュ設定は、アクティブ/アクティブ クラスタリングの設定オプションに対する強化であり、ネットワーク内のあらゆる単一障害点を回避します。ファイアウォールをはじめとするすべてのネットワーク機器は、完全な冗長化のために連携されます。フルメッシュでは、機器 (ファイアウォール/スイッチ/ルータ) であれリンクであれ、一切の単一障害点が配備に存在しないことが保証されます。すべての機器は、接続先の機器に二重に配線されます。フルメッシュによるアクティブ/アクティブ クラスタリングは、実現可能な最高レベルの可用性と高いパフォーマンスを提供します。

フル メッシュ配備について

アクティブ/アクティブ クラスタリングのフル メッシュ設定は、アクティブ/アクティブ クラスタリングの設定オプションに対する強化であり、実現可能な最高レベルの可用性と高いパフォーマンスを提供します。フル メッシュ配備では、ネットワークで非常に高いレベルの可用性を実現します。これは、すべての機器 (ルータ、スイッチ、セキュリティ装置など) が 1 つ以上の冗長なパートナーを持つからです。ネットワーク全体に単一障害点がまったく存在しないように、すべての機器が接続対象機器に対して 2 重に配線されています。例えば、すべての SonicWALL ファイアウォールは冗長ポートを使用して、各ネットワーキング機器に対して 2 回接続されます。

アクティブ/アクティブ クラスタリング フル メッシュのメリット

この配備設定の主なメリットは、次のとおりです。

コア ネットワーク内に単一障害点が存在しない:アクティブ/アクティブ クラスタリング フルメッシュ配備では、ファイアウォールだけでなく、コアネットワーク全体にわたって単一障害点が存在しません。パス上のスイッチ、ルータ、ファイアウォールに同時に障害が発生した場合でも、トラフィック フローの代替パスが必ず利用できるので、最高レベルの可用性を実現できます。
ポート冗長化:アクティブ/アクティブ クラスタリング フルメッシュでは、各クラスタ ノード内の HA 冗長化や、クラスタ内のノード レベルの冗長化に加え、冗長ポートも利用します。ポート冗長化では、プライマリ ポートに障害が発生した場合、バックアップ リンクがトランスペアレントな形で処理を引き継ぎます。この場合、機器レベルのフェイルオーバーは必要ありません。
冗長ポートと冗長スイッチ

冗長ポートは、アクティブ/アクティブ クラスタリングと併用できます。あるポートに障害が発生した場合、そのトラフィックは、HA またはアクティブ/アクティブのフェイルオーバーなしに冗長ポートによってシームレスに処理されます。「ネットワーク > インターフェース > インターフェースの編集」ページの「冗長ポート」フィールドは、アクティブ/アクティブ クラスタリングが有効な場合に使用可能になります。

冗長ポートを設定する場合、インターフェースは未使用、つまり、どのゾーンにも割り当てられていない状態でなければなりません。2 つのポートは、同じスイッチか、できればネットワーク内の冗長スイッチに物理的に接続されている必要があります。

すべてのクラスタ ノードが起動していてトラフィックを通常どおりに処理している間、冗長ポートは、スタンバイ状態のままで、パートナー ポートが何らかの理由でダウンした場合にすぐに使えるように準備されています。あるクラスタ ノードがダウンし、アクティブ/アクティブ フェイルオーバーが発生した場合、残りのクラスタ ノードの冗長ポートは、障害が発生したノードによって所有されていた仮想グループのトラフィックを処理するために直ちに使用されます。これにより、負荷分散が実現されます。

例えば、仮想グループ 1 がクラスタ ノード 1 によって、仮想グループ 2 がクラスタ ノード 2 によって所有されている配備があるとします。各クラスタ ノードには冗長ポート X3 および X4 が設定されています。すべてのノードが適切に機能している場合、X4 ではトラフィックが一切送信されません。クラスタ ノード 2 がダウンした場合は、仮想グループ 2 もクラスタ ノード1 によって所有されることになります。この時点で、冗長ポート X4 は負荷分散のために使用が開始されます。仮想グループ 1 のトラフィックは X3 で送信され、仮想グループ 2 のトラフィックは X4 で送信されます。より大規模な配備で、クラスタ ノード 1 が 3 つまたは 4 つの仮想グループを所有している場合、トラフィックは冗長ポートの間で分配されます。つまり、仮想グループ 1 および 3 のトラフィックは X3 で、仮想グループ 2 および 4 のトラフィックは X4 で送信されます。

冗長スイッチが設定されている場合、SonicWALL では冗長ポートを使用してこのスイッチに接続することを推奨します。冗長ポートを使用せずに冗長スイッチに接続することも可能ですが、その場合はプローブを使用した複雑な設定が必要になります。冗長スイッチは、高可用性機能の必要性に応じて、ネットワーク内の任意の場所に配備できます。例えば、冗長スイッチを通過するトラフィックが事業的に非常に重要な場合は冗長スイッチを WAN 側に配備できます。

次の図は、冗長なルータ、スイッチ、およびポートが WAN 側に含まれていても、LAN 側では冗長化を使用していないのでフル メッシュにはなっていない配備を示しています。

図 60. WAN 側の冗長化

冗長ポートや冗長スイッチを配備する場合にフル メッシュは必須ではありませんが、フル メッシュ配備には冗長ポートや冗長スイッチが含まれます。フル メッシュ配備では、メインのトラフィック ポート (LAN、WAN など) のそれぞれで冗長ポートを使用し、冗長スイッチに加えて冗長アップストリーム ルータも使用します。

フル メッシュ配備の詳細については、『Active/Active Clustering Full Mesh Deployment Technote』を参照してください。

アクティブ/アクティブ クラスタリング フル メッシュの設定

このセクションでは、アクティブ/アクティブ クラスタ フルメッシュ配備のセットアップ手順を説明します。ここでは、装置 4 台によるアクティブ/アクティブ クラスタリング フルメッシュのセットアップを取り上げます。この配備の以下の点について詳しく説明します。

ここで説明する配備は例です。実際の配備は、以下の点で異なる場合があります。

図 61. 装置 4 台によるアクティブ/アクティブ クラスタ フルメッシュ

アクティブ/アクティブ フル メッシュのケーブル配線

ここでは、上の図に示した配備のケーブル配線の手順を説明します。

フルメッシュ配備でネットワーク機器を物理的に接続するには、以下の手順に従います。
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アクティブ/アクティブ クラスタ ファイアウォールの設定

このセクションでは、アクティブ/アクティブ クラスタ ファイアウォールの設定手順を説明します。

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「高可用性 > 設定」ページで、以下の操作を行います。
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送信」を選択します。
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ネットワーク > インターフェース」ページで、以下の操作を行います。
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高可用性 > 監視」ページで、クラスタ内の各装置の X0 または X1 のどちらかに監視/管理 IP アドレスを追加します。
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a
b
障害点が存在しないことのテスト

上記の配備の接続と設定が終了すると、CN1 は仮想グループ 1 (VG1) の、CN2 は仮想グループ 2 (VG2) のオーナーになります。

X0 の VG1 IP アドレスを特定のトラフィック フローのゲートウェイとして、X0 の VG2 IP アドレスを別のトラフィック フローのゲートウェイとして設定します。ネットワーク管理者は、異なる方法でこの設定を行うことができます。1 つの方法は、ゲートウェイの割り当てを直接的に接続されたクライアント ネットワーク上の各 PC に分散させる気の利いた DHCP サーバを使用することです。もう 1 つの方法は、ポリシー ベースのルートをダウンストリームのルータで使用することです。

トラフィックのセットアップが完了すると、ネットワーク トラフィックの処理が両方のクラスタ ノードによって積極的に行われます。ここで、どの機器やリンクにも単一障害点が存在しないことを以下の手順でテストできます。

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CN2 についてもStep c およびStep d を繰り返します。
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装置 2 台によるアクティブ/アクティブ クラスタ フルメッシュの設定

これまでのセクションでは、ファイアウォール装置 4 台によるアクティブ/アクティブ クラスタ フルメッシュについて説明しました。必要に応じて、各 CN が 1 つのファイアウォールだけで構成される (HA バックアップがない)、ファイアウォール装置 2 台によるアクティブ/アクティブ クラスタ フルメッシュを配備することもできます。ただし、そのようなセットアップには以下の制限があります。

装置 2 台によるフルメッシュ向けの手順は、装置 4 台によるフルメッシュの手順と似ていますが、以下の点が異なります。