アクティブ/スタンバイ HA 機能の概要

HA 機能を使用すると、SonicOS が動作している同一のファイアウォール 2 つを設定して、パブリック インターネットへの連続した信頼性の高い接続を提供できます。1 つのファイアウォールはプライマリ装置として設定し、それと同一のファイアウォールをセカンダリ装置として設定します。プライマリ ファイアウォールに障害が発生した場合、セカンダリ ファイアウォールが引き継ぎ、保護されたネットワークとインターネット間の信頼性の高い接続を確保します。このようにして設定された2 台の装置は、高可用性ペア (HA ペア) とも呼ばれます。

HA 機能を使用すると、一方の装置が他方の装置の高可用性システムとして機能するので、2 つのファイアウォールの間でライセンスを共有できます。この機能を使用するには、MySonicWALL で各装置を関連付けられた製品として登録する必要があります。両方の装置は同一の SonicWALL モデルでなければなりません。

トピック:

アクティブ/スタンバイ HA 機能のメリット

アクティブ/スタンバイ HA 機能のメリットは次のとおりです。

ネットワークの信頼性の向上 - 高可用性機能の設定では、プライマリ装置に障害が発生した場合、セカンダリ装置がすべてのネットワーク処理を引き継ぎ、保護されたネットワークとインターネット間の信頼性の高い接続を確保します。
優れたコスト効果 - 高可用性機能は、ファイアウォールを冗長化して使用することで高可用性を得る、配備にとってコスト効果の高いオプションです。高可用性ペアのセカンダリ装置のためにライセンスをもう 1 セット購入する必要はありません。
フェイルオーバー後の収束時間を短縮する仮想 MAC - 仮想 MAC アドレスを設定することで HA ペアが同じ MAC アドレスを共有できるため、フェイルオーバー後の収束にかかる時間が大幅に減少します。収束にかかる時間は、ネットワーク内の装置のルーティング テーブルを高可用性機能に起因する変更に適合させるためにかかる時間です。既定では、この仮想 MAC アドレスは SonicWALL ファームウェアによって指定されるものであり、プライマリまたはセカンダリ装置のいずれの物理 MAC アドレスとも異なります。

アクティブ/スタンバイ HA 機能の動作

HA 機能を使用するには、プライマリ SonicWALL として設定された 1 台の SonicWALL 機器と、セカンダリ SonicWALL として設定された同一モデルの SonicWALL 機器が必要です。通常の動作中は、プライマリ SonicWALL がアクティブ状態となり、セカンダリ SonicWALL がスタンバイ状態となります。プライマリ機器が接続を失った場合、セカンダリ SonicWALL 機器がアクティブ モードに移行し、プライマリ機器の設定と役割を代行します。設定されたインターフェースのインターフェース IP アドレスもそのまま使用されます。

基本的なアクティブ/スタンバイ HA 機能では、ステートレス高可用性が提供されます。セカンダリ装置へのフェイルオーバーが行われた後は、既存のすべてのネットワーク接続を再確立する必要があります。VPN トンネルの再ネゴシエートも必要になります。オプションで、ステートフル同期のライセンスを追加して有効化することもできます。詳細については、ステートフル同期の概要 を参照してください。

フェイルオーバーが適用されるのは、プライマリ SonicWALL の機能またはネットワーク層接続が失われた場合です。セカンダリ SonicWALL へのフェイルオーバーが発生するのは、重要なサービスに影響があった場合、監視中のインターフェースで物理 (または論理) リンクの障害が検出された場合、またはプライマリ SonicWALL で停電が発生した場合です。現在、プライマリ SonicWALL 機器およびセカンダリ SonicWALL 機器では、アクティブ/スタンバイ高可用性機能、またはアクティブ/アクティブ DPI 機能のみを実行できます。完全なアクティブ/アクティブ高可用性機能は、現時点ではサポートされていません。

すべての設定に適用される同期には、増分と完全の 2 種類があります。タイムスタンプが同期されており、アクティブな装置で変更が行われた場合、増分同期がスタンバイ状態の装置にプッシュされます。タイムスタンプが同期されておらず、スタンバイ状態の装置が利用可能な場合、完全同期がスタンバイ状態の装置にプッシュされます。増分同期が失敗した場合、完全同期が自動的に試みられます。