SonicPoint 配備の推奨事項

このセクションでは、SonicWALL の SonicPoint 無線アクセス ポイントのデザイン、設置、配備、設定に関する推奨事項について説明します。これは、サイトの管理者が各種規模の環境に SonicPoint を適切に配備するのに役立つ情報です。また、的確な運用と配備に必要な関連外部情報も紹介します。このセクションで示されるサードパーティ製イーサネット スイッチについては、SonicWALL から直接テクニカル サポートを行うことはできません。

SonicPoint の推奨事項の詳細については、『SonicPoint 配備の推奨事項ガイド』
(
https://support.software.dell.com/) を参照してください。

トピック:

前提条件

SonicPoint を適切に配備するための要件を次に示します。

テスト済みのスイッチ

配線に関する考慮事項

実地調査と計画

チャンネル

SonicPoint の既定の設定は、自動チャンネルになっています。この設定では、SonicPoint は起動時にスキャンを実行し、送信中の他の無線機器がないかを確認します。続いて、送信に使用するための未使用チャンネルを検索します。特に大規模な配備では、この処理によって問題が発生する場合があります。大規模な配備では、SonicPoint ごとに固定チャンネルを割り当てることをお勧めします。

無線カードの調整

ラップトップの接続の問題が発生する場合は、そのラップトップに Intel の埋め込み無線アダプタがないか確認します。以下の Intel チップ セットは、サードパーティ製無線アクセス ポイントとの接続の問題が発生することが Intel によって確認され、公表されています。

これらの無線カードは、OEM ラップトップ製造元に提供されており、多くの場合、メーカーごとに独自のブランド名が付けられています。たとえば、Dell も IBM もこれらの無線カードを使用していますが、ドライバにはそれぞれ独自の名前が付いています。

アダプタを識別するには、Intel のサポート サイトで Intel Network Connection ID Tool を検索します。このツールをインストールし、無線接続切断の問題が発生しているラップトップで実行します。このツールは、ラップトップ内に搭載されている Intel アダプタを識別します。

Intel 無線アダプタを特定できたら、Intel のサポート サイトから、そのアダプタ用の最新のソフトウェア パッケージをダウンロードします。Intel PRO/Set パッケージ一式をダウンロードしてインストールし、当該無線カードの管理に使用することをお勧めします。これまで使用していた、Windows や他の OEM から提供されている無線ネットワーク カード管理プログラムの代わりに、こちらを使用してください。Intel PRO/Set ワイヤレス ソフトウェア ドライバ/マネージャ一式のバージョン 10.5.2.0 以上を使用することをお勧めします。

Intel ワイヤレス管理ユーティリティを使用し、マイクロソフトの Wireless Zero Config 管理サービスを無効にして、OS ではなく Intel ユーティリティでカードを制御してください。

詳細設定」セクションで、電源管理を無効にするために「デフォルト値使用」の横のチェックボックスをオフにし、その下のスライダーを「最大」にします。これによって、無線カードの動作が最大になり、スリープ モードに入らなくなります。設定が完了したら、「OK」ボタンを選択して変更を保存、適用します。ラップトップを再起動します。

詳細設定」セクションで、ローミングの積極性を調整するために「デフォルト値使用」の横のチェックボックスをオフにし、その下のスライダーを「最小」にします。これによって、無線カードは関連付けられている AP に可能な限り接続し続けるようになり、信号が著しく低下したときのみローミングが行われます。この設定は、同じ SSID にブロードキャストするアクセス ポイントが多数ある環境では非常に効果的です。設定が完了したら、「OK」ボタンを選択して変更を保存、適用します。ラップトップを再起動します。

問題が継続する場合は、無線カードのプリアンブル モードも調整してみてください。既定では、上記の Intel 無線カードは「自動」に設定されています。SonicWALL 無線製品はすべて、既定で長いプリアンブルを使用するように設定されていますが、これは管理 GUI で変更できます。Intel 無線カードのプリアンブル設定を変更するには、「詳細設定」セクションで、「デフォルト値使用」の横のチェックボックスをオフにし、その下のドロップダウン メニューから「長い Tx プリアンブル」を選択します。設定が完了したら、「OK」ボタンを選択して変更を保存、適用します。ラップトップを再起動します。

PoE

配線長が長いと電力損失の原因となります。SonicPoint と PoE スイッチの間の配線長が 100 メートルあると、電力/信号は最大で 16% 低下することがあります。したがって、SonicPoint の動作を維持するために、PoE スイッチはさらに大きな電力をポートに供給しなければならなくなります。

トピック:
SonicPoint ACe/ACi/N2

SonicPoint ACe/ACi/N2 に PoE を供給するスイッチはすべて、802.3at に完全に準拠する必要があります。非準拠のスイッチで SonicPoint を稼働しないでください。Dell SonicWALL はそれをサポートしていません。

pre-802.3at 規格検出は、接続の問題の原因となる場合があるので、無効にします。

SonicPoint AC (Type 1) は、クラス 0、1、2、または 3 PD が設定可能です。SonicPoint AC (Type 2) は、クラス 4 PD に設定します。最小/最大電力出力値は以下のとおりです。

各 SonicPoint AC/SonicPoint N2 に必ず 25 W の供給が保証されるようにします。

すべての PoE スイッチが、各 PoE ポートで最小 25 W の電力を供給できるようにすることに、特に注意してください。例えば、SonicPoint AC または SonicPoint N2 をサポートするポートは 25 W の電力が必要です。スイッチが各ポートにおいて、ポートあたり 25 W を保証できない場合は、外付けの冗長電源を追加する必要があります。PoE スイッチの製造元によく確認して、使用する全 PoE 機器を動作させるのに十分な電力がスイッチに供給されるようにする必要があります。

旧式の SonicPoint N/Ni/Ne/NDR

旧式の SonicPoint と SonicPoint N/Ni/Ne/NDR はクラス 0 PD に設定され、使用電力は最小 0.44W、最大 12.95W となります。

旧式の SonicPoint と SonicPoint N/Ni/Ne/NDR に PoE を供給するスイッチはすべて、802.3af に完全に準拠する必要があります。非準拠のスイッチで SonicPoint を稼働しないでください。Dell SonicWALL はそれをサポートしていません。

pre-802.3af 規格検出は、接続の問題の原因となる場合があるので、無効にします。

各ポートに 10 ワットの供給を確保し、PoE の優先度を重大または高に設定します。

スパニング ツリー

イーサネット ポートが電気的にアクティブになると、ほとんどのスイッチは、既定でそのポートのスパニング ツリー プロトコルを有効化し、ネットワーク トポロジにループがあるか確認します。この 50~60 秒の検出時間の間、ポートはトラフィックを通過させません。この機能は、SonicPointで問題が発生する原因となることがわかっています。

スパニング ツリーが必要ない場合は、スイッチでグローバルに無効にするか、SonicPoint 機器に接続している各ポートで無効にします。それが不可能な場合は、スイッチの製造元に高速スパニング ツリー検出が可能かどうかを確認します。これは、接続の問題が発生しないようにスパニング ツリーを短時間で実行する方法です。これを行うためのプログラミング サンプルについては、Dell スイッチ設定のサンプル (インターフェースごと) を参照してください。

VTP と GVRP

これらのトランク プロトコルは、SonicPoint に直接接続しているポートでは無効にします。これらは SonicPoint で、特にハイエンドの Cisco Catalyst シリーズ スイッチを使用する場合に、問題の原因となることがわかっています。

ポート集約

ブロードキャスト スロットリング/ブロードキャスト ストーム

この機能は、一部のスイッチ、特に D-Link で問題になります。可能であればポートごとに、それが不可能な場合はグローバルに無効にしてください。

速度と通信方式

仮想アクセス ポイント (VAP) の問題

VLAN 対応 SonicWALL プラットフォームに限り、既存のリリースに VAP 機能を提供できます。トラフィックを別個のブロードキャスト ドメインに分割するには、各 SSID に固有の VALN ID を割り当てます。SDP/SSPP プロトコル パケットは、SonicWALL WLAN インターフェースまたはSonicPoint に到達する前に、タグを外す必要があります。

Dell SonicWALL ネットワーク セキュリティ装置と SonicPoint の間のスイッチを適切に設定して、各 VAP SSID に対して、タグの付いていない SDP/SSPPトラフィックと、VLAN ID でタグ付けされたトラフィックの両方が許可されるようにする必要があります。

可能な場合は、各 VAP に個別の VLAN/セキュリティ ゾーンを割り当てます。これによって、最大のセキュリティが提供され、また PCI 準拠の明示的要件ではありませんが、確実にグリーン ゾーンが確保されます。

トラブルシューティング

無線ゾーンおよびインターフェースを作成する場合、サポートする予定の SonicPoint の数をインターフェースに必ず設定してください。新しいインターフェースは既定で「0 SonicPoint」に設定されます。これを行わないと、ネットワーク セキュリティ装置では必要な DHCP スコープが作成されず、インターフェースに追加した SonicPoint が取得されません。

旧バージョンの SonicPoint のトラブルシューティング

旧バージョンの SonicPoint があり、ポート フラッピングがなくならない、電源が一切入らない、再起動サイクルを繰り返す、プロビジョニングが終わらないと GUI にレポートされる、のいずれかが発生する場合は、最新バージョンのファームウェアを実行しているかどうか確認し、また、Dell SonicWALL ネットワーク セキュリティ装置にパブリック インターネット アクセスがあることを確認します。新しい SonicPoint が必要な場合もあります。

SonicPoint のリセット

SonicPoint のリセット スイッチは、背面のコンソール ポートの隣の小さな穴にあります。SonicPoint をリセットするには、伸ばしたクリップや楊枝のような細くてまっすぐなものでこのリセット スイッチを押します。

リセット ボタンを押すと、SonicPoint の動作中のモードの設定が、工場出荷時の設定に戻ります。他方のモードの設定はリセットされません。SonicPoint の動作中のモード、およびリセット ボタンを押す時間の長さに応じて、SonicPoint の動作は次のいずれかになります。

管理されたモードで動作中の SonicPoint で、リセット ボタンを 3 秒以上 8 秒未満押すと、管理されたモードの設定が工場出荷時の設定にリセットされ、SonicPoint が再起動されます。
管理されたモードで動作中の SonicPoint で、リセット ボタンを 8 秒より長く押すと、管理されたモードの設定が工場出荷時の設定にリセットされ、SonicPoint がセーフモードで再起動されます。

スイッチ プログラミングのヒント

トピック:
HP ProCurve スイッチ コマンドのサンプル (インターフェースごと)
Dell スイッチ設定のサンプル (インターフェースごと)
D-Link スイッチ設定のサンプル

D-Link 製 PoE スイッチには CLI がないので、ウェブ GUI を使用する必要があります。

これらのスイッチに SonicPoint を追加する前に、スイッチでスパニング ツリー、ブロードキャスト ストーム制御、LLDP、およびセーフガード エンジンを無効にしてください。 これらはすべて、プロビジョニング、設定、および機能に影響する可能性があります。