VAP についての検討事項

このセクションでは、使用する VAP に何が求められ、それらの要件を VAP 設定にどのように適用すればよいか判断するための手がかりを提供します。このセクションは次のサブセクションから構成されています。

VAP のニーズを確定する

VAP の設定方法を決定するときは、まず以下のような通信ニーズについて検討してください。

サンプル ネットワーク

以下は、4 つの VAP について記述したサンプルの VAP ネットワーク設定です。

VAP#1、社内無線ユーザ - 普通はオフィスにいるユーザの集まりで、接続が認証されて安全であれば、すべてのネットワーク リソースへの完全なアクセスが許されるべき人たちです。これらのユーザはすでにネットワークのディレクトリ サービスであるマイクロソフト アクティブ ディレクトリに属しています。 これはインターネット認証サービス (IAS) を通じて EAP インターフェースを提供します。
VAP#2、旧式の無線機器 - WEP 暗号化にしか対応していない旧式の無線機器の集まり (プリンタ、PDA、ハンドヘルド機器など)。
VAP#3、来訪パートナー - オフィスを頻繁に訪れ、一部の信頼されたネットワーク リソースおよびインターネットにアクセスする必要のあるビジネス パートナー、クライアント、および関連会社の人たち。これらのユーザは会社のディレクトリ サービスに属していません。
VAP#4、ゲスト ユーザ - インターネットなどの信頼されていないネットワーク リソースへのアクセスのみを許したい来訪クライアントです。一部のゲスト ユーザには、一時的で簡単なユーザ名とパスワードが与えられます。
VAP#5、頻繁なゲスト ユーザ - ゲスト ユーザと同じですが、バックエンド データベースを通じて一時的でないゲスト アカウントが与えられます。

セキュリティ設定を確定する

上述の要件が明確になれば、これらのユーザに無線サービスを提供するゾーン (およびインターフェース) と VAP を定義することができます。

社内無線 - 信頼度の高い無線ゾーン。WPA2-AUTO-EAP セキュリティを使用します。WiFiSec (WPA) を執行します。
WEP & PSK - 信頼度が中程度の無線ゾーン。2 つの仮想 AP とサブインターフェースから成り、1 つが旧式の WEP 機器 (無線プリンタ、旧式のハンドヘルド機器など) 用で、もう 1 つがWPA-PSK を使用する来訪クライアント用です。
ゲスト サービス - 内部ゲスト サービス ユーザ データベースを使用します。
LHM - 外部 LHM 認証バックエンド サーバを使用するように設定したライトウェイト ホットスポット メッセージング対応ゾーン。

VAP 設定ワークシート

次のワークシートは、VAP 設定に関する一般的な検討事項とソリューション、および実際の設定内容を記入するための空欄から成っています。

 

表 87. VAP 設定ワークシート

質問

ソリューション

どれだけの種類の無線ユーザをサポートする必要があるか。

社内無線、ゲスト アクセス、来訪パートナー、無線機器は、すべて一般的なユーザ タイプで、それぞれ固有の VAP を必要とする。

異なる VAP の必要数を把握します。必要な各 VAP についてゾーンとVLAN を設定します。

実際の設定内容:

 

 

 

各 VAP でどれだけのユーザをサポートする必要があるか。

会社の構内に 100 人の従業員がいて、全員が無線機能を使用する。

少なくとも 100 個のアドレスを提供するように訪問者ゾーンの DHCP スコープを設定します。

会社の構内に無線機能を使用できる 20~30 人の訪問者がよく来訪する。

少なくとも 25 個のアドレスを提供するように訪問者ゾーンの DHCP スコープを設定します。

実際の設定内容:

 

 

 

異なる種類の無線ユーザをどのように保護するか。

社内 LAN リソースにアクセスできる社内ユーザ。

WPA2-EAP を設定します。

インターネット アクセスのみに限定されたゲスト ユーザ。

ゲスト サービスを有効にしますが、セキュリティ設定は行いません。

社内 LAN 上の旧式の無線プリンタ。

WEP を設定し、MAC アドレス フィルタを有効にします。

実際の設定内容:

 

 

 

ユーザはどんなネットワーク リソースと通信する必要があるか。

社内 LAN とすべての内部 LAN リソース (他の WLAN ユーザも含む) へのアクセスを必要とする社内ユーザ。

社内ゾーンに関してインターフェース間
通信を有効にします。

インターネット アクセスを必要とするが、他のWLAN ユーザとの通信は許可すべきでない無線ゲスト。

ゲスト ゾーンに関してインターフェース間通信を無効にします。

実際の設定内容:

 

 

 

ユーザにどんなセキュリティ サービスを適用したいか。

完全な SonicWALL セキュリティ スイートで保護すべき社内ユーザ。

SonicWALL のすべてのセキュリティ サービスを有効にします。

社内 LAN 上にいないので、配慮する必要のないゲスト ユーザ。

SonicWALL のすべてのセキュリティ サービスを無効にします。

実際の設定内容: