ユーザ定義サービスの設定作業リスト

ユーザ定義サービスの設定作業を以下のリストに示します。

トピック:

サポートされるプロトコル

このセクションでは、ユーザ定義サービス用の定義済み IP プロトコルの一覧を示します。

ICMP (1) - (インターネット制御メッセージ プロトコル) エラー メッセージと制御メッセージの送信に使用される TCP/IP プロトコル。
IGMP (2) - (インターネット グループ管理プロトコル) TCP/IP ネットワークにおけるマルチキャスト グループの管理を制御するプロトコル。
TCP (6) - (転送制御プロトコル) TCP/IP の TCP 部分です。TCP は TCP/IP の転送プロトコルです。TCP により、メッセージが正確に、欠けることなく送信されます。
UDP (17) - (ユーザ データグラム プロトコル) TCP/IP プロトコル スイートに含まれるプロトコル。信頼性の高い送信が不要な場合に、TCP の代わりに使用されます。
GRE (47) - (汎用ルーティング カプセル化) IP トンネル内のさまざまな種類のプロトコル パケットをカプセル化するために使用されるトンネル プロトコル。ファイアウォールへの仮想ポイント ツー ポイント リンクの作成や、IP インターネットワーク経由での機器のルーティングに使用されます。
ESP (50) - (カプセル化セキュリティ ペイロード) IPsec による柔軟なデータ転送手段として使用される、別のデータグラム内の IP データグラムをカプセル化する手法。
AH (51) - (認証ヘッダー) データ認証に加え、オプションでアンチリレー サービスを提供するセキュリティ プロトコル。AH は保護するデータに埋め込みます (完全な IP データグラム)。
EIGRP (88) - (拡張内部ゲートウェイ ルーティング プロトコル) IGRP を拡張したプロトコル。優れた収束特性と動作効率を実現し、リンク状態プロトコルの利点と距離ベクトル プロトコルの利点を同時に備えています。
OSPF (89) - (オープン ショーテスト パス ファースト) ノード間の距離およびいくつかの品質パラメータに基づいて、TCP/IP ネットワークにおける IP トラフィックのルーティングに最適なパスを決定する、ルーティング プロトコルです。OSPF は内部ゲートウェイ プロトコル (IGP) の 1 つであり、自律システムの内部で動作するように設計されています。また、OSPF は RIP プロトコルを置き換えるために開発されたリンク状態プロトコルであり、RIP プロトコル (距離ベクトル プロトコル) よりも少ないルータ数でトラフィックを更新できます。
PIMSM (103) - (プロトコル非依存マルチキャスト スパース モード) 2 つある PIM 動作モード (デンス モードとスパース モード) の 1 つ。PIM スパース モードでは、ネットワーク内の最小限のルータがデータを受け取るように、データの配信が制限されます。パケットは、RP (ランデブー ポイント) で明示的に要求された場合にのみ送信されます。スパース モードでは、受信側が広く分散しているため、ダウンストリームのネットワークに送信されたデータグラムは必ずしも使用されないと想定されます。スパース モード使用の代償としては、明示的な Join メッセージの定期更新に依存していることと、RP が必要であることです。
L2TP (115) - (レイヤ 2 トンネリング プロトコル) PPP セッションをインターネット経由で実行するためのプロトコル。L2TP には暗号化機能はありませんが、リモート ユーザから企業 LAN への仮想プライベート ネットワーク (VPN) 接続を確立するために既定で IPsec が使用されます。

定義済みサービス タイプへのユーザ定義サービスの追加

任意の定義済みサービス タイプにユーザ定義サービスを追加できます。

 

表 31. 定義済みサービス タイプ

プロトコル

IP 番号

ICMP

1

TCP

6

UDP

17

GRE

47

IPsec ESP

50

IPsec AH

51

IGMP

2

EIGRP

88

OSPF

89

PIM SM

103

L2TP[l2tp]

115

作成したユーザ定義サービスは、すべて「ユーザ定義サービス」テーブルに一覧表示されます。ユーザ定義サービス グループを作成してユーザ定義サービスをグループ化することで、より簡単にポリシーを適用することができます。「既定のサービス」テーブルにプロトコルが表示されていない場合、「追加」を選択することで、そのプロトコルを「ユーザ定義サービス」テーブルに追加できます。

ユーザ定義サービスを定義済みのサービス タイプに追加するには、以下の手順に従います。
1
名前」フィールドにサービスの名前を入力します。
2
プロトコル」ドロップダウン メニューで、IP プロトコルの種類を選択します。
3
4
OK」を選択します。「ユーザ定義サービス」テーブルに、サービスが表示されます。
5
ログを有効にする」チェックボックスを使って、サービスの動作ログを有効または無効にします。

カスタム IP 種別サービスの追加

定義済み IP タイプのみを使用している場合、セキュリティ装置でその他の IP プロトコル タイプのトラフィックが検出されると、そのトラフィックは識別不能として破棄されます。ただし、IANA (Internet Assigned Numbers Authority:http://www.iana.org/assignments/protocol-numbers) により管理されている膨大な数の登録済み IP 種別のリストがあります。一般的でない (識別不能な) IP 種別トラフィックは厳格に削除する方が安全ではありますが、機能が制限されます。

SonicOS では、カスタム IP 種別サービス オブジェクトがサポートされるため、任意の IP 種別を表すサービス オブジェクトを作成できます。これにより、任意の種別の IPv4 トラフィックを認識および制御するファイアウォール アクセス ルールを作成できます。

補足:汎用サービス「すべて」では、カスタム IP タイプ サービス オブジェクトが処理されません。つまり、IP 種別 126 のカスタム IP 種別サービス オブジェクトを定義しただけでは、IP 種別 126 トラフィックは既定の LAN > WAN 許可ルールで許可されません。

認識と処理を実現するには、以下の図に示すように、そのカスタムIP タイプ サービス オブジェクトのみを含むアクセス ルールを作成する必要があります。

設定例

管理者が、RSVP (リソース予約プロトコル - IP タイプ 46) および SRP (Spectralink ラジオ プロトコル - IP タイプ 119) を WLAN ゾーン (WLAN サブネット) の全クライアントから LAN ゾーン (例えば 10.50.165.26 など) のサーバまで許可する必要があるとします。管理者は、この 2 つのサービスを扱うカスタム IP タイプ サービス オブジェクトを定義できます。

1
ネットワーク > サービス」ページで、ページ右上の「サービス オブジェクトに移動する」リンクを選択して、「サービス」セクションへ移動します。
2
追加」を選択します。「サービスの追加」ウィンドウが表示されます。

3
サービスに付けるわかりやすい名前を入力します。
4
プロトコル」ドロップダウン メニューから、「カスタム IP 種別」を選択します。

5

6
追加」を選択します。
7
8
終了したら、「閉じる」を選択します。「ネットワーク > サービス」ページが表示されます。
9
ネットワーク > サービス」ページで、セクションの右上の「サービス グループに移動する」リンクを選択して、「サービス グループ」セクションへ移動します。
10
サービス グループ」セクションで、「グループの追加」を選択します。「サービス グループの追加」ウィンドウが表示されます。

11
12

13
->」ボタンを選択し、サービスをユーザ定義サービスのリストに移動します。
ヒント:複数のサービスを選択してから「->」ボタンを選択すると、一度にすべてのサービスを移動できます。
14
終了したら、「OK」をクリックします。「ネットワーク > サービス」ページが表示されます。
15
ファイアウォール > アクセス ルール」ページに移動します。「WLAN > LAN」で、「追加」を選択します。
16
myServices WLAN サブネットから 10.50.165.26 アドレス オブジェクトへのアクセスを許可するアクセス ルールを定義します。

17
OK」を選択します。

これで、IP プロトコル 46 および 119 のトラフィックが認識され、WLAN サブネットから 10.50.165.26 への転送が許可されるようになります。

ユーザ定義サービスの編集

設定」の下にある編集アイコンを選択して、「サービスの編集」ウィンドウでサービスを編集します。このウィンドウには、「サービスの追加」ウィンドウと同じ設定項目があります。

ユーザ定義サービスの削除

ユーザ定義サービスを個別に削除するには、削除アイコンを選択します。「削除」ボタンを選択すると、すべてのユーザ定義サービスを削除できます。

ユーザ定義サービス グループの追加

ユーザ定義サービスを追加した後で、サービス (既定のサービスを含む) のグループを作成し、グループ内のサービスに同じポリシーを適用することができます。例えば、特定の時刻または曜日にのみ SMTP トラフィックと POP3 トラフィックを許可するには、この 2 つのサービスをユーザ定義サービス グループとして追加します。

ユーザ定義サービス グループを作成するには、以下の手順を実行します。
1
ネットワーク > サービス」ページで、「グループの追加」を選択します。「グループの追加」ウィンドウが表示されます。

2
ユーザ定義グループに付ける名前を「名前」フィールドに入力します。
3
左側の列のリストから、サービスを個別に選択します。Ctrl キーを押しながらサービスを選択することで、複数のサービスを選択することもできます。
4
->」を選択して、サービスをグループに追加します。
5
グループからサービスを削除するには、右側の列のリストでサービスを個別に選択します。キーボードの Ctrl キーを押しながらサービスを選択することで、複数のサービスを選択することもできます。
6
<-」を選択すると、サービスが削除されます。
7
終了したら、「OK」を選択します。グループが「ユーザ定義サービス グループ」に追加されます。

ユーザ定義サービス グループの名前の左側にある三角形を選択すると、そのユーザ定義サービス グループ登録に含まれている個々のユーザ定義サービス、既定のサービス、ユーザ定義サービス グループがすべて表示されます。

ユーザ定義サービス グループの編集

設定」列の編集アイコンを選択し、「サービス グループの編集」ウィンドウでユーザ定義サービス グループを編集します。このウィンドウには、「サービス グループの追加」ウィンドウと同じ設定項目があります。

ユーザ定義サービス グループを展開し、個々のサービスの編集アイコンを選択して、グループの個々のサービスを編集することもできます。「サービスの編集」ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、「サービスの追加」ウィンドウと同じ設定項目が表示されます。

ユーザ定義サービス グループの削除

ユーザ定義サービス グループ登録を個別に削除するには、削除アイコンを選択します。削除アイコンを選択すると、すべてのユーザ定義サービス グループを削除できます。ユーザ定義サービス グループを展開し、個々のサービスの削除アイコンを選択して、グループの個々のサービスを削除することもできます。