l2rstp
高速スパニング ツリー プロトコル (RSTP) は冗長なパスを持つレイヤ 2 ネットワーク設計をサポートするために実装されています。
Dell SonicWALL の RSTP 実装は、IEEE 802.1D-2004 仕様に準拠しています。802.1D 仕様は、VLAN に対応しておらず、ネットワーク内に存在するすべての VLAN に適用される共通スパニング ツリー (CST) を作成します。Dell SonicWALL の RSTP 実装は、元の 802.1D 規格 (STP) との後方互換性があります。
RSTP は次のオブジェクトの設定をサポートしています。
• ブリッジの優先順位
• RSTP が有効または無効なトランク ポート
• ポートの優先順位
• ポートのコスト
• ハロー時間
• 転送遅延時間
非エッジ ポートの自動検出はサポートされていません。非エッジ ポートとは、エンドユーザ コンピュータ (PC、ラップトップなど) に直接接続されているポートです。
RSTP の有効化と無効化は VLAN トランク ポートでのみ行えます。既定では、RSTP がトランク ポートで無効になっています。NSA 2400MX ともう 1 台のスイッチの物理的なネットワーク接続を行う前に、RSTP を有効にする必要があります。
NSA 2400MX が起動すると、スパニング ツリーの設定が適用されるまで、各ポートは無効になります。NSA 2400MX では、同じ VLAN (PortShield グループまたは L2 ブリッジ モード) 内のポートがもう 1 台のスイッチに接続されている場合に生じるループを防ぐために、STP の BPDU (Bridge Protocol Data Unit) をポート間で自動的にソフトブリッジします。これにより、リモート スイッチは、自分のポートが別のスイッチに接続されていることを検出でき、特定のポートを自動的に遮断できます。
SonicOS 管理インターフェースでは、次の項目を確認できます。
• 現在のポート状況 (転送、破棄、遮断)
• 役割 (ルート、指定、代替、バックアップ、無効化)
• 現在のルート ブリッジ ID、優先順位などの情報
• BPDU Rx/Tx カウンタ
SonicOS 管理インターフェースでは、次の項目を設定できます。
• ポートのコスト - 自動モードのままにしておくことができます。その場合、ポート コストはリンク速度に基づいて決定されます。
• ポート優先順位 - 別途設定しない限り、既定でインターフェース番号に設定されます。番号が小さいほど優先順位が高くなります。ポート優先順位が重要になるのは、各ポートが同じスイッチに接続されていてループが発生しうる場合に限られます。優先順位の低いポートは遮断されます。
以下の手順を参照してください。
「スイッチング > 高速スパニング ツリー」ページでブリッジの設定を行うには、以下の手順を実行します。
1. 使用するスパニング ツリー プロトコルのバージョンを指定するには、「強制バージョン」ドロップダウン リストから次のいずれかを選択します。
• RSTP 操作 - 高速スパニング ツリー プロトコルを使用します。
• STP のみ - 当初のスパニング ツリー プロトコルを使用します。
2. ルート ブリッジの優先順位を指定するには、「ブリッジの優先順位」フィールドに適切な優先順位を入力します。
3. ハロー時間を指定するには、「ハロー時間 (秒)」フィールドに許可する適切な秒数を入力します。ハロー時間は、ルート ブリッジによる BPDU の送信間隔を示す時間です。既定値は 3 秒で、設定可能な範囲は 1~10 秒です。ハロー時間は、BPDU に含めることで他のスイッチに伝達されます。
4. 転送遅延時間を指定するには、「転送遅延時間 (秒)」フィールドに適切な秒数を入力します。転送遅延時間は、リスニングおよびラーニング状態に留まることができる時間です。既定値は 15 秒で、設定可能な範囲は 4~30 秒です。転送遅延時間の設定値は、BPDU に含めることで他のスイッチに伝達されます。
5. 終了したら、「適用」を選択します。
インターフェースのポート設定値が指定されると、「スイッチング > 高速スパニング ツリー 」ページのポート設定テーブルに、該当するインターフェースの行が表示されます。また、そのインターフェースでリンク統合が有効になっていない限り、設定アイコンが有効になります。
「スイッチング > 高速スパニング ツリー」ページでポートの設定を行うには、以下の手順を実行します。
1. 「ポート設定」の下で、編集するインターフェースの行にある設定アイコンを選択します。
2. このインターフェースで高速スパニング ツリー プロトコルを有効にするには、「RSTP 設定の編集」ウィンドウで「RSTP を有効にする」チェックボックスをオンにします。このインターフェースで RSTP を無効にするには、このチェックボックスをオフにします。
ポートの経路コストを指定するには、「ポート経路コスト」フィールドに適切なコスト値を入力します。自動モードのままになっている場合は、リンク速度に基づいてポート コストが決定されます。任意のコストを割り当てることも、RSTP または STP の仕様にあるガイドラインに基づいてコストを設定することもできます。低帯域幅の接続ほど、コストは高くなります。いくつかのガイドラインによれば、帯域幅 1 Gbps の接続のコストが 2 であるのに対し、10 Mbps の接続ではコストが 100 になっています。
4. ポート優先順位を指定するには、「ポート優先順位」フィールドに適切な優先順位を入力します。数値が小さいほど優先順位が高いことを示します。ポート優先順位が重要になるのは、複数のポートが同じスイッチに接続されていてループが発生しうる場合に限られます。優先順位の低いポートは遮断されます。